読了

Q&A

恩田陸さんの「Q&A」読了。ほぼ全編インタビューのみで成り立っているような作品だけれど、その制限された情報に想像力をかきたてられて、背筋が寒くなるような思いさえする。また、謎は解決したのかしていないのか分からないまま終わってしまうのだけれど、…

浦島太郎の真相 恐ろしい八つの昔話

鯨統一郎さんの「浦島太郎の真相 恐ろしい八つの昔話」読了。もはや様式美とでも言うべきか。トリビアの嵐から無理矢理事件に話を振ってさらに「心のアリバイ?」ときて、重ねてお伽話で見立て。最後に「この事件もやがてお伽話になっているかも……」で締める…

黄昏の百合の骨

恩田陸さんの「黄昏の百合の骨」読了。ホラーというかサスペンスフルなミステリ。実に多彩な作品を著している恩田さんだけど、こういうのが一番うまいような気がする。出版社が同じ講談社の「三月は深き紅の淵を」、「麦の海に沈む果実」、「黒と茶の幻想 (…

水はなんにも知らないよ

左卷健男さんの「水はなんにも知らないよ」。「水からの伝言」、いわゆる「水伝」を主な対象としたニセ科学批判本。ニセ科学批判へのとっかかりにちょうどいいくらいの内容と量。でも、波動は大事。波動エネルギーをうまく使えないと、ガミラスに攻撃された…

イナイ×イナイ

森博嗣さんの「イナイ×イナイ」読了。読み易い。あんまり読み易いので、中味が薄く感じてしまうほど。登場人物には森博嗣作品感バリバリでそれがまぁなんというか嬉しくないわけでもないけど……。西之園萌絵がちらっとだけ出ている。

ぼくと、ぼくらの夏 新装版

樋口有介さんの「ぼくと、ぼくらの夏 新装版」を購入してそのまま一気読み。こういう雰囲気はとても好きだなぁ。主人公とその父親を合わせたらそのまま同じ著者の作品群の登場人物、柚木草平になってしまいそうな素敵な親子。本文中にあまり書かれてないけど…

6ステイン

福井晴敏さんの「6ステイン」読了。この著者の作品だから、当然ドンパチやったりするんだけど(けっこう派手に)、でも、なんだかヤサシイ感じがする(一部)連作短篇集。今まで読んだ彼の作品のなかでも一番気にいったかも。

竜神飛翔 (6)

ロバート・ジョーダンさんの「竜神飛翔 (6)」。読み始めてそのまま深夜に読了。愈々第11部が完結するとのことだけど、まだ先があるらしい。早く終わらないかなぁとか思うけれど、読んでいるとやっぱり引き込まれてしまってるのがなんとも。……読了。第11部完…

行きずりの街

志水辰夫さんの「行きずりの街」を昼食時に購入、そのまま一気読みで読了。この作者の本を読むのは初めてだけど、全然違和感なくぐいぐいと引き込まれるように読まされてしまった。1991年の作品だそうで、16年間も読まずに放っておいたのがもったいなく思っ…

間暮警部の事件簿 マグレと都市伝説

鯨統一郎さんの「間暮警部の事件簿 マグレと都市伝説」読了。まぁなんともばかばかしくて楽しい。30代後半から50代くらいまでの人なら、そんなことないやろ、などと突っ込みを入れながら愉快な気持になれることはまず間違いない。隠れた名作(隠れてないけど)…

ビター・メモリー〈下〉

サラ・パレツキーさんの「ビター・メモリー〈下〉」読了。本当に苦い思い出。読み応え十分。というか、こういうテーマに関しては言葉が出ないな。

ビター・メモリー〈上〉

サラ・パレツキーさんの「ビター・メモリー〈上〉」読了。ぐいぐい引き込まれてしまい、続けて(下)へ。

林檎の木の道

樋口有介さんの「林檎の木の道」読了。青春胸いっぱい、というか、登場人物がみんな大人っぽいな。なんか現役の高校生なんかが読んだら変に焦ったりするのじゃないかとか思ったり思わなかったり。自分の高校時代って、ほんとなんにもしてなかったなぁと思う(…

竜神飛翔 5 (5)

ロバート・ジョーダンさんの「*[ファンタジー][購入][読始]竜神飛翔 5 (5)」読了。とりあえず、ペリン、よかったね。で、ローラン、あっさりやられてなんだか憐れだね。

軌道離脱

ジョン・ナンスさんの「軌道離脱」読了。これはもう圧巻、なかなか途中で読むのを止められない。簡単に言えば、それこそ宇宙で一人置き去りにされた素人が諦めたり、語ったり、がんばったりする物語。ただ、その臨場感がすごい。作中でも、主人公の語りが全…

ゆらぎの森のシエラ

菅浩江さんの「ゆらぎの森のシエラ」読了。1989年の作品だということだけあって、若干の古さを感じることはある。ファンタジーの体裁をとっているので用語が科学のものでないのもそう感じさせる理由でもある。でもこれをそのままSFの作法で書いたところで、…

涼宮ハルヒの分裂

谷川流さんの「涼宮ハルヒの分裂」購入。お昼の定時巡回時に発見したもの。発売予定については全然知らなかったのでちょっとうれしい。未読だが、巻末の紹介文によるとどうもみなさん進級したらしい。サザエさんやドラえもんのように永遠に同じ時空を舞台に…

風少女

樋口有介さんの「風少女」読了。なんというか読んでいて、青春のほろ苦さとか、甘酸っぱさとか、そんなのを感じたような気がする。ま、個人的にはそんな経験なんて全くないわけだけど……。解説で法月倫太郎さんの書いているように、確かにこれは作者の原点で…

竜神飛翔 (4)

ロバート・ジョーダンさんの「竜神飛翔 (4)」読了。待ちくたびれた感じもするが、物語の流れがどんどん速くなっていくのがここちよい。登場人物それぞれがそれぞれなりの役割を果たすべくそれぞれの道を行く。つかみきれない全体像に苦悩しながら全界を一身…

砂の城の殺人 創元推理文庫

谷原秋桜子さんの「砂の城の殺人 創元推理文庫」読了。思わせぶりな冒頭部分が、あぁそういうことか、となって、最後にまたひっくり返る。これは楽しい。ちょっと中だるみ感もあって、これは主人公の性格付けのせいでもあるのである意味しかたないのだけれど…

星界の断章 (2)

森岡浩之さんの「星界の断章 (2)」読了。アーブの世界への理解をより深めることができる一冊。(1) のような遊び要素はちょっと少なめ。ジントとラフィールの話をもっと読みたいな、というかそれが本編か。

みなとみらいで捕まえて

鯨統一郎さんの「みなとみらいで捕まえて」読了。言わずもがなの人を食った雰囲気と、ギャグ、それにも関わらずちゃんとミステリしているのがとても面白い。この人のは、連作の短篇集が面白いと思う。

沈黙のフライバイ

野尻抱介さんの「沈黙のフライバイ」読了。もう涙が止まらなくて、花粉症で。というのはともかくとして。ものごころついた時には既に人類は月に到達していて、それがいずれ当たり前になるだろうと思っていた子供だった自分からすると、今の状況はいったいな…

ユーフォリ・テクニカ?王立技術院物語

定金伸治さんの「ユーフォリ・テクニカ?王立技術院物語」を読み始め、読了した。読みやすいので、あっと言う間に読み終わってしまった。現実世界とよく似たアナザー・ワールドでの話なんだけど、まだちょっとリアリティがないというか、設定に重みが感じられ…

刺青(タトゥー)白書

樋口有介さんの「刺青(タトゥー)白書」読了。いつもながら主人公の柚木草平はかっこいいなぁ。解説では登場人物みな「なんとなく大人気ない」なんて書かれているけれど、ならば、今これを書いている自分はなんなんだ、なんて思ってしまう。38歳の柚木草平よ…

チャリオンの影下

ロイス・マクマスター・ビジョルドさんの「チャリオンの影下」読了。これだけの大部なのに、読み終えたあとにちょうど腹八分目のここちよさ。最終局面でちょっと急ぎすぎな気もしたけど、この終わり方には満足。三部作らしいので、次が楽しみ。

チャリオンの影上

ロイス・マクマスター・ビジョルドの「チャリオンの影上」を読みはじめた。重厚なファンタジーだと読みはじめがつらいことがあるけれど、この作品はそんなことはなくて、最初からかなり読みやすい。物語が転がりはじめるまでそれなりの分量(文量)があるのだ…

となり町戦争

三崎亜紀さんの「となり町戦争」読了。戦争から、ディテールを徹底的に削ぎ落として、改めて別のディテールを加えていくとこういう戦争もありなのかもしれない。午前4時までかかって一気読み。行政への皮肉なんかもあるけど、それが主題ではないのだろう。主…

影踏み

横山秀夫さんの「影踏み」読了。一見非現実的な設定でありながら、ハードボイルドなストイックさと、本格の拡張高さを兼ね備えている。同じ作者の他の作品と違うようでいて、まさに彼の作品だと言えるようなそんな作品。読みやすいのもいい。

笑う怪獣ミステリ劇場

西澤保彦さんの「笑う怪獣ミステリ劇場」読了。怪獣やら怪人(改造人間)やら宇宙人やらが出てくるのだれど、これらは解かれるべき謎とは全く関係ない。じゃあなんでもいいじゃんかということになるかというと、そうではなくて、作品には必要な要素になってい…