軌道離脱

ジョン・ナンスさんの「軌道離脱」読了。

これはもう圧巻、なかなか途中で読むのを止められない。

簡単に言えば、それこそ宇宙で一人置き去りにされた素人が諦めたり、語ったり、がんばったりする物語。ただ、その臨場感がすごい。作中でも、主人公の語りが全世界にほぼリアルタイムで(本人は知らないまま)伝わることになるんだけど、実際にそれを体験しているかのように感じることができる筆力はたいへんなものだ。

アポロ11号の初めての月面着陸や、アポロ13号がなんとか帰ってきたのをテレビやあるいはラジオで固唾を飲んで見守って(聞き守って?)いた人々も同じような感覚だったのだろうか。幼なすぎてのころのことはまったく覚えてないのだけれど、それをよく覚えている人がこの作品を読んでどういう感想を持ったかを聞いてみたい気がする。