影踏み

横山秀夫さんの「影踏み」を読みはじめた。

頭の中に火事で死んでしまった一卵性双生児の弟を住まわせている泥棒が主人公の話。警官だとか判事だとかいろんな人が出てくるのだけど、この泥棒がすごくまっとうな人間に思えてしまう。とはいえ、戸梶圭太さんの作品のようなむちゃくちゃなものではなくて、横山さんのいつものトーンで淡々とストイックに進められる話は緊張感にあふれていて、カタルシスはないれど読んでいて不快な感情を起こすこともない。