月館の殺人(上)・月館の殺人 (下)

綾辻行人さん・佐々木倫子さんの「月館の殺人(上)」、「月館の殺人 (下)??」。

綾辻さんの小説は三編ほど読んだことがあって、どれもドキドキ度の高い、つい息を止めてしまいそうな緊張感あふれるもの。それを、佐々木倫子さんがどう料理するのか興味津々で読んでみたのだけれど、面白かった。綾辻節も佐々木倫子さんにかかるとこうまでノンキになるのかと。

ドキドキハラハラ、フーッってのを期待しちゃうとちょっと違和感があるけれど、佐々木倫子ワールドのためのミステリの筋書きを綾辻さんが提供してくれたと思えば、全然問題なし。いつものノホホン感と小技ギャグで怖いものなし(いや、本当に恐くないし)。ただ、綾辻さんの館シリーズみたいなのを期待して読むとガッカリはするかもしれない。

ちなみに、「月館」ですが実際に購入するまでは「つきやかた」あるいは「げつかん」だと思っていた。実は「つきだて」なのだけど、SKK で「つきだて」を変換すると候補に「月舘」はあるけど、「月館」はない。たわむれに、Google で両者を検索してみた。どうやら「月舘」町というのところが福島県に実在するらしく、作中の「つきだて」は北海道だという設定なので、架空の地名なのだろうと思う。